鈴木の多世界解釈ブログ

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【独自解釈-世にも奇妙な物語編-】電気の渇望した世界で・・・【 発電課長 】

今回紹介するのは、<2000年 秋の特別編>にて放送された世にも奇妙な物語の中のひとつである、【発電課長】。日々の仕事に疑問を感じている人に、ぜひ一度見てもらいたい名作です。

 

-あらすじ-

今の世界とは違う世界線の現代・・・そこでは急激なインフラの発達などについていけず、電気が枯渇していた。

毎日必ず使用する「電気」。それらを少しでも節約するために、様々な会社で「発電課」という、リストラ寸前の社員が、毎日自転車を漕いで会社のために発電をする窓際部署が当たり前のように設置されていた・・・

 

『起』-発電課、課長-

・主人公は発電課の課長として、日々自転車を漕ぎ続けている。仕事中にはもちろん、家に帰れば家族の為にも自転車を漕ぎ発電する毎日。しかしその苦労も知らず、他の社員たちは口々に「リストラ社員の滑り止め」「あそこだけは配属されたくない」とバカにするのだった・・・

 

『承』-主人公を取り巻く状況と、仲間たち-

・主人公の会社に新人が入った。頭脳は明晰で、競輪の経験もある期待のホープ。研修として発電用の自転車を漕げば、たちまちバッテリーは満タンに・・・自分の存在意義に疑問が浮かぶ主人公。そんな状況は、屋台での飲み仲間たちも同じ状況だっだ。

・仲間の一人が、明日中に3日分の電気を溜められなければ、リストラされるという。肩を落とす仲間に、声もかけてあげられない主人公たち。しかし次の日、主人公は自分の会社の充電を周りが驚くほどの速度で済ませ、リストラ寸前の仲間のもとに、自転車と共に駆ける。気が付けば、周りにはいつもの飲み仲間たちが並走していた。仲間と共に自転車を漕ぎ、3日分の充電を無事に済ませ、一同励ましあうのだった。

 

『転』-溜めた電気と、溜まった疲労-

・仲間の窮地を救い、満足げに家に帰る主人公。しかし、家に着いたとたん、溜まっていた疲労が祟ったのか、倒れこんでしまう主人公。溜まっていたのは電気だけじゃなかったのだ・・・

・心肺停止で病院に運び込まれる主人公。緊急手術を受け、妻と息子が見守る中、電気ショックで蘇生を試みる医師。しかし、無情にも電力不足で病院の電気が止まってしまう。絶体絶命の中、息子が立ち上がる。「出世しないからこうなるんだ、情けない」

息子の脳裏には、受験生の自分のために、夜な夜な自転車を漕ぎ続けていた父の姿が浮かんでいた。「バカなんだよ、親父は。大ばかだよ」そう言いながら、息子の足は必死に自転車を漕いでいた。

 

『結』-充電完了-

・息子の懸命な発電により、病院の設備は息を吹き返した。続けられる電気ショック。祈る家族・・・そして主人公は意識を取り戻すことができた。家族の絆という枯渇していた電気は、今回の一件で充電されたのだ。

・冒頭、テレビに流れていたロケット打ち上げプロジェクト。電気が足りずに見送りになっていたが、全国から発電者たちを募り、打ち上げの瞬間を待っていた。この衛星は、エネルギー不足を解消させるためのロケットだという。「たかし、いくぞ」

主人公が息子に声をかけた。大勢の発電者達がロケットに向かって、一斉に自転車を漕ぎだしたー

 

『鈴木の感想まとめ』

時折見返したくなる名作。いろんな場所に、『必要不可欠なのに、評価されていない人たち』はいると思います。自分ももしかしたらそんな風に思われているかもしれない、そんなことを考え出した時には、これを見ます。馬鹿にされてもいいし、よく思われていなくてもいい。大切なのは、自分自身が、それを何のためにやっているか(この作品では=家族の為)に尽きるのでしょう。お金の為でもいいし、自己満足でもいいです。他人の声に惑わされなくなるまで突き詰めれば、それは自ずと実になり、大きな自信になるのだと思うのです。